便秘は、お腹の問題だけでなくいくつもの弊害をもたらします。
吐き気・頭痛・ゲップ・肌荒れなど、時にとても体調が悪くなったりもするものです。
それでも、便秘でない人には便秘による体調不良というのもなかなかわかってもらえないもので、当事者にとっては悩みも深いですよね。
どうにか便秘体質を改善しようと、様々な方法を試している人も多いでしょう。
そんな便秘に悩む人に、今回お勧めしたいのが骨盤底筋を鍛える体操です。
現在の便秘対策で効果が薄いという方は、ぜひ実践してみてくださいね。
骨盤底筋とは
骨盤底筋とは、骨盤の底部にある筋肉のことです。骨盤底筋は、膀胱や直腸などの内臓を支えたり、尿や便の排出をコントロールしたりする役割があります。
また、妊娠・出産にも関係しています。骨盤底筋は、日常生活で使われることが少ないため、衰えやすいと言われています。
骨盤底筋が弱くなると、尿漏れや便漏れ、子宮や膀胱の下垂などのトラブルが起こる可能性があります。骨盤底筋を鍛えることで、これらのトラブルを予防したり改善したりすることができます。
骨盤底筋は、自分では意識しにくい部位ですが、重要な働きをしています。
骨盤底筋の状態に合わせて、適切なトレーニングを行うことで、健康や美容にも良い効果が期待できます。
なぜ骨盤底筋を鍛えると便秘改善になるの?
便秘にも種類がありますが、何タイプかある中でほとんどが女性という便秘のタイプが“直腸性便秘”に当たります。
いきんだり・お腹に力を入れても出せないといった方は、直腸性便秘の可能性があります。
直腸性便秘は、直腸に便が詰まってしまうことで起こります。
その原因の一つが、骨盤底筋と関係しています。
このタイプは知らず知らずのうちになることが多く、慢性化しやすいのが特徴です。
便の溜まりすぎや骨盤底筋の衰えが原因となり、便がスムーズに排出されず、体内にとどまる時間が長くなることで水分を失った便は硬くなり、さらに排泄困難となってしまうのです。
本来、骨盤底筋は緩んだ時に、直腸・肛門のラインがまっすぐになることで、便が排出されるようになっています。
しかし、骨盤底筋が衰えるとこの筋肉がうまく緩まない(固いまま)といった現象が起き、便が通れなくなるのです。
このことから、直腸性便秘の改善には骨盤底筋を鍛えることも大切なのです。
女性の場合、出産・加齢などにより骨盤底筋が衰えます。
また長時間のデスクワークなども、骨盤底筋が衰える大きな原因になるので、誰しも衰えやすい筋肉といえます。
直腸性便秘を引き起こすだけでなく、内臓が落ち込み、働きが悪くなったり、お腹ぽっこりの原因にもなるので、とても大切な筋肉なのです。
骨盤底筋を鍛える体操で便秘改善!
慢性化しやすい直腸性便秘を放置すると、厄介なことになります。
骨盤底筋を鍛えて、スムーズに排出できる道筋を作れるようにして、便秘改善を目指しましょう。
骨盤底筋を鍛える方法
最も簡単で毎日の実践もしやすいのがこの方法。
・排尿している最中に、尿を止める
たったこれだけで、鍛えられます。
トイレは、毎日必ず行きますし、誰にも見られないので最も実践しやすい骨盤底筋の鍛え方といえます。
※止めるのは一瞬でOK
この時、尿が止められない方は骨盤底筋が衰えている証拠でもあります。
骨盤底筋を鍛える体操
その1
1.椅子に座る
2.姿勢を正して、足は肩幅くらいで床につけておく
3.肛門を締める(10秒ほど)
肩や足など、他の部位に力が入らないように気を付けて行いましょう。
その2
1. 坐骨をまっすぐになるように正しい姿勢で座る
2.太ももにクッションを挟む
3. 腹式呼吸をしながら、クッションを潰すように内側に力をいれながら膣を締める
→息を吐きながら5秒
4.息を吐きながら5秒かけて力を抜いていく
その3
1.立った状態で膝の間にクッションなどを挟む
2.膝を少し曲げる
→太ももの筋肉が少しプルプルするくらい
3.クッションが落ちないようにしながら、お尻を突き出すように腰を反らせる
4.背中を丸めつつ、お尻を太ももの間に入れるような感覚で前に出す
肩の力を抜き、リラックスして行いましょう。
その4
1.仰向けに寝る
2.足は肩幅くらいで、軽く膝を立てる
3.膣・肛門を締める
→陰部をへそ側に引き上げるようなイメージ
4.10秒ほどキープ
1分間に1度くらいで、5回くらい行いましょう。
足・お腹・肩といった他の部位に、力が入らないようにリラックスした状態で行いましょう。
その5
1.仰向けに寝る
2.足は肩幅くらいで、軽く膝を立てる
3.息を吐きながら、ゆっくりお尻を浮かしていく
→内ももに力をいれて、お尻を引き締めるイメージ
4.から膝にかけてまっすぐになる位置でストップ
3秒ほどキープ
5.ゆっくりと腰を下ろしていく
→下ろす時は、息を吐きながら行いましょう
一日に10回を目安に実践してみてください。
どれも日常生活のふとした瞬間にできる体操なので、気が付いたときにやってみてくださいね。
肛門・膣に力を入れるときに、肩など他の部位に余計な力が入らないように
気を付けて実践するようにしましょう。
この体操は、すぐに効果が表れるわけではありません。
継続して行うことが重要です。短期間で止めず、習慣的に行うことをおすすめします。
直腸性便秘は便意の我慢も引き金に!
直腸便秘は、便意の我慢が引き金になっていることがあります。
お仕事をしていたりすると、便意を感じても即座にトイレに向かえないこともあるかと思いますが、できる限り便意を感じた段階でトイレにいくようにしましょう。
いったん便秘を我慢すると、しばらく便意が起きないことも多いですよね。
その間に便はどんどん水分を奪われ硬くなり、排便困難に陥ります。
そして、この硬い便を排出する際は肛門にとても負担がかかり、切れ痔やイボ痔の原因になってしまいます。
慢性化しやすい厄介な便秘なので、便意の我慢は避けましょう。
すでに慢性的にひどい便秘の方は、腸もみなどの施術を受けるのも一つでしょう。
腸の動きが良くなり、便秘改善だけでなく・冷え性・むくみなどの改善にもつながります。
整体院などで施術してもらえますので、ひどい便秘の方はなかなか自力で便秘体質を改善するのは難しいので、検討されてみても良いかと思います。
まとめ
女性に多い直腸性便秘を取り上げてみましたが、いかがでしたか?
便意の我慢を避け、骨盤底筋を鍛えることで便秘改善が期待できるでしょう。
骨盤底筋を鍛えることは、便秘改善だけでなく、内臓機能の維持・スタイルにも良い影響を与えてくれます。
また、女性に多い尿漏れの改善にもつながるので、ぜひ実践してみてください。
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